正田醤油創業150周年記念誌
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養子三代・(文七)四代・(文三郎)五代・(文衛)六代・(敏一郎)る休日の午後、館林市内にある正田邸のキッチンからはいい香りが漂います。妻の温□□子さん、母の啓□□子さんと共にするお昼ご飯を作っているのは、正田隆社長本人。レシピも見ず、調味料は目分量、慣れた手つきで一品、二品と次々仕上げていきます。「隆は3人兄弟の中でいちばんの料理好き。東京の大学に進学し、高校生だった弟と2人で暮らしていた頃は、朝夕2人分を自炊していたそうですから」と啓子さん。本日のメインは、昨日から温子さんがたれに漬け込んだ煮豚。先代社長の母の得意料理で社長にとっては〝おばあちゃまの味〟。偶然、温子さんもよく作っていたメニューです。「私はきっちり計量するタイプですが、夫は感覚派。でもとても料理上手なんですよ」 煮豚の漬け込みだれには青ラベルの〈正田の丸大豆しょうゆ特撰〉を、しらたきと明太子の炒め煮には〈万能つゆ〉をと、料理に合わせた自社製品の使い分けにも「厳密なこだわりはなくて、ただおいしくなればいいですから」と社長。ほかにも小松菜とエノキダケのおひたし、じゃこのチャーハン、お味□汁があっという間に完成しました。「3人の娘たちが高校生ぐらいまでは、朝ご飯は必ず家族一緒に食べていました。僕以外は女4人ですからよく喋り、にぎやかでしたよ。今は夫婦2人きりの食事も多いですが、やはりいろんな話をします。食を囲んでの団欒は大事なものだと思います」(社長) 得意料理は卵料理、とくにオムレツ。そしてお昼にはパスタを作ることが多いとか。「自分のためだけに作るのは面倒ですが、家族がいると『よし、やろう!』という気になりますね」との言葉に社長の優しさがにじんでいます。「おいしいをお届けする」という正田醤油の原点は、日常の思いやりに満ちた食卓にあることが伝わってきました。□□あ 長男正田文右衛門長女きぬ次男豊治郎次女ふう三男民三郎三女ゑい四男良三長男正田文右衛門長女てる四女五女次男卓治六女ひろ七女かう宏二すま依子長男隆次男敏郎三男亨長男陽一次男宏二三男達也正田文右衛門長男正田文右衛門次男作次郎長女よし次女もと三女ます四女きよ三男卯三郎正田家家系図妻の祖母が六代文右衛門のお手伝いさんをしていた。とてもやさしい人だと言っていた。左上/煮豚、じゃこチャーハンなど正田家の日頃の献立が並びます。右上/休日には料理の腕をふるうことも多い社長。左下/チャーハンは、じゃこの他に炒り卵と長ネギを加え、鶏ガラだしと〈正田のしょうゆ 特級〉で味付けを。右下/啓子さんが通った料理教室のレシピも参考に。page 33

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