正田醤油創業150周年記念誌
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□□□□□□□□衆店か、居酒屋のおつまみか。「カジュアル」「リーズナブ大      ル」一辺倒だった焼き鳥のイメージを覆し、美食の域に高めたのが〈銀座バードランド〉の店主・和田利□□弘さんです。使用するのは、茨城県奥□久慈地方産の地鶏、奥久慈しゃも。しっかりした歯ごたえがあり、滋味豊かで脂肪分が少なく、〝地鶏の最高傑作〟といわれています。丁寧に串を打ち、紀州備長炭で焼き上げた焼き鳥は、見た目も端正で、香り、味わいも別格です。素材選びに加え「味づくりの要」と、話すのが醤油。「とくにわれわれは、焼き物に使うでしょう。醤油は焼くと、味の差が顕著に出るんです。ごまかせない。きちんとした醤油は、まず香りが立って、旨味が増す。そうでない醤油は、苦みが出ちゃう。お餅を磯辺焼きにして、試してみるとよくわかりますよ」と、教えてくれました。そんな和田さんが信頼を置くのが、正田醤油の〈特撰丸大豆醤油「刷□□毛で塗ってさっと焼いたとき、一番香りが立つ。塩焼きのもも肉や、シイタケなどの野菜にも使っています」常連客にもファンの多いレバーは、なんと、バルサミコ酢を加えた醤油で仕上げます。「バルサミコ酢は、醤油と共通する香りがあり、香りがより重層的になるんです。醤油だけで焼くと、塩分が強くなるので、軽く塩を振り、8割ほど火を通してから仕上げに刷毛で醤油を塗ります」まさに職人技。その創意、工夫が認められ、和田さんは全国の醤油醸造企業などが設立した〈醤油PR協議会〉による「醤油名□□匠」の大賞にも選出されています。今や焼き鳥店では当たり前になったブランド地鶏の使用、レバーパテや親子丼の提供やワインと合わせた提案などは、和田さんが先駆け。多くの門下生を輩出し、業界に潮流を生み出しています。二段熟成〉です。きじょうゆ生産本部のOさんは、ダウジングで水道管を探り当てたという□がある。真偽は不明。上/さまざまな醤油を試した末、刷毛で塗る生醤油には〈特撰 丸大豆醤油 二段熟成〉を選択。醤油を塗った後の火入れも繊細。下/塩を振って火を通し、香りづけ程度に醤油を塗って仕上げます。写真はもも肉。奥久慈しゃもの食感、旨味をダイレクトに。使い込まれたうちわも和田さんの大事な“調理道具”。火加減や煙を微調整しながら焼きます。奥久慈しゃもの卵を使った親子丼。卵はデザートのプリンにも使用。濃厚でコクがあります。page 07

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