おいしいと感じたその経験を、
一食一食、大切に

「おいしいがうれしい。」
に込めた思い

社員へは「食に興味を持ちましょう」と繰り返しお話ししています。
高級料理を食べなさいとか、こだわりぬかれた名品をたくさん食べなさいということでなく、普段通っている食事処の料理でも、家庭の料理、あるいは駄菓子などにしても、それを作る人の顔、作る人の喜びが必ずあるということに考えをめぐらせてもらいたいからです。おいしいと感じたその経験を、一食一食、大切にしてほしいのです。

その経験は、商品開発からお客様へお届けするまでの全工程で活かされると信じています。お客様においしさを届ける者として、お客様からおいしさが認められ、喜んでいただけて、笑顔になってもらえたら、こんなにうれしいことはありません。この感動を共有していきたい。これが「おいしいがうれしい」に込められた思いです。

求められる5つの人材像

当社では求める人物像として、5つの柱を掲げています。

1.誠実で信頼できる人

「誠実」という言葉は、正田醤油の長い歴史の中で代々語り継がれ、大切にされてきた精神です。物事と誠実に向き合う、人と誠実に向き合う、そして誠実なものづくり。「誠実であること」は、当社の礎の精神です。

2.面白い人、楽しい人

人と同じことをやるにしても自分ならこうするとか、ちょっと違うことをやってみるとか、どこかに自分の感性を生かして仕事を面白く、楽しくしようという姿勢を期待します。

3.利己的でない人

世の中は、ひとりでは生きられません。周囲の人たちとの共存、協力が必要です。そして仲間と感動を共有していく。事業においても、当社は地域に育てていただいている感謝の気持ちを忘れずに、地域との共存共栄を大切にしています。

4.何でも喜んでやる人

会社にはさまざまな仕事があります。いろいろなことに、前向きに取り組んでほしいと思います。当然、喜びの表現には個人差はありますが、当社には進んでものごとに取り組む社員が多いことを心強く感じています。

5.柔軟な発想のできる人

発想をどう個性として表に出していくかは人それぞれではありますが、一つの考えに凝り固まらず、ものごとをなるべく多角的に見てほしいと思っています。

「コーチング」と「海外戦略」

- コーチング

当社では人材育成の一環として、2013年からコーチングを取り入れています。自身の目標を自身のうちに根付かせ、常に意識してもらいたいという思いからです。社内にコーチを育成して、部門を越えてコーチングをしています。コミュニケーションの活性化にもなっています。仕事が忙しいとなかなかこういった機会を持てないものですが、コーチングの時間を全社教育の中に設けることで、各人の気づきを促す貴重な場となっています。

- 海外戦略

今後の食品業界において、海外市場は無視できません。日本の人口は減少傾向にありますし、高齢化も進んでいます。食品業界もより「食の消費量」のたくさんあるところを求め、世界へ目を向けることになります。

わが社は、1990年代後半からイギリスのウェールズを拠点(Shoda Sauces Europe Co., Ltd.)に欧州地域へ活動の場を拡げてきました。世界遺産になった「和食」ブームの後押しもあり、海外戦略も拡大の一途にあります。これから社会にでる皆さんにも、広い視野を共有してほしいと思います。

人間尊重

昨今、ワークライフバランスという言葉が盛んに使われています。生活を充実させるにはどうするか、仕事を楽しくやるにはどうするか、それには時間をどう使えばよいか、ということを私自身も昔から常に意識しています。

仕事の効率化、合理化ということを考えるとき、その根幹にはまず「人間尊重」があると考えます。合理化の目的は、限りある人生の中で時間を有効に使い、増えた余暇で人生を豊かにするためだからです。

会社は、人生において、より実践的な「教育の場」であると思います。キャリアを積んでいくことによって、自分自身を磨いていける組織でありたいと願っています。
社会とのつながり、人脈も、会社を地盤として大きく広がっていくことでしょう。「人間尊重」の考えを皆さんにも共有していただければ、会社としても嬉しく、人材の育て甲斐があると思っています。